女性はタンパク質摂取で、まずは元気をキープしましょう
抗がん剤治療の日程が決まったとき、私は医者からこう言われた。「抗がん剤を投与するといろいろ不快な副作用に悩まされますが、それに負けず、しっかり食事をとって栄養補給してください。
そのほうが社会復帰も早くなります」と。そのときは漠然と聞いていたが、いざ投与が始まるとそれは凄まじい副作用で、食欲ドコロではなくなった。先生によるとがん細胞は体内のタンパク質を餌にして成長するのだそうです。
抗がん剤で健康な細胞も死滅させてしまうので、減ったタンパク質の分だけ食事で補給してやらないとがん細胞には勝てないといった主旨の説明を受けました。
自画自賛に過ぎないけれど、会社ではキーパーソンと言われる地位にあった私にとって、早期の社会復帰は大命題でした。
そこで決心したのは、「食欲がなくても食べること」、「社会復帰をめざして、女性らしさを失わない医療用ウィッグを探して被ること」、「復帰後の会社での目標、家族との目標を達成すること」の3点でした。とくに豚肉は良質なタンパク質がとれてスタミナ回復にもなるというので、1日のメニューのうち2食は豚肉のレシピ料理をお願いして完食をめざしました。
「病院にいるのに」と言われましたが、保湿系のスキンケアにも励み、時々は薄らと化粧を施すことも。
医療用ウィッグで挑戦!気持ちがあれば前より幸せに!
「ガンに見舞われてしまったことは不幸だけれど、気持ちがそこで折れて終わってしまうから不幸。そこから復帰して女性らしい、力のある自分に戻れたらもっと強力な幸せを手にすることができる」。そんな考えに行き着いたのも、抗がん剤の副作用が消えないベッドの中でした。
投与と副作用にも慣れて一段落した頃、パソコンをもってきてもらって私が探したのが、「小走りしても少々汗をかいても大丈夫な軽いウィッグ」。会社では日常的に小走りしていて、それでウィッグがズレてしまうことだけは恥ずかしかったからです(一応、管理職なので)。
10社ほどのメーカーを検索して、最終的に選んだのは2社。二者択一で両方ともオーダーするつもりでしたが、最初にオーダーして手元に届いたウィッグが結構気に入ったので、そのまま被りつづけています。
私のいま!同病で闘っておられるみなさまへ。参考になれば
- 豚肉の積極的な摂取と、海藻類の摂取による効果からか、入院中でも他の患者さんが言うような激しい脱力感や体力低下はなかった。
- 退院後の定期検診と検査では、いまのところ異常なし。順調に寛解状態に向かっているとのこと。
- 医療用ウィッグは軽さ(70グラム)とフィット感がとても良かったアンベリールのシルフィを選択してそれを日常使いに。ネット構造のフンワリ感もいい。
- 会社には、自分のがんのことをカミングアウト。脱毛状態でウィッグを被って挨拶に行った。カミングアウトしたのでバレることなど何の心配もなくなった。
- 体調がいいので本格復帰は予定よりかなり早い3ヶ月後。「以前より元気そうできれい」と同僚に言ってもらえたのが何よりの喜び・宝物。
私たちは社会人であっても家庭人であっても、男性とは違う力と美しさをもたなければならない女性です。栄養でやる気をキープして、それができたら女性の美しさを取り戻すことを楽しみましょう。